ソフトバンクユーザーであれば、以前は電波環境が他のキャリアに比べ、劣っていたことをご存知かと思います。
そうでなくとも、友人にソフトバンクユーザーがいる方であればそうした環境に対する文句や愚痴を聞いたことがあるかもしれません。
確かに、以前までは環境の整備が進んでおらず、快適な通信は実現されていませんでした。
ですが、現在では様々な取り組みによって他のキャリアと比べても遜色ない通信環境になっています。
今回はそうした電波改善がどのように進められたのか、4つの理由に着目して紹介していきます。
1.基地局の増加
新規に携帯事業へ参入してきたソフトバンクは、設置している基地局の数が他のキャリアに比べ圧倒的に不足していました。ですから、基地局によって広い範囲をカバーすることが出来ず、通信環境の悪い地域が多く存在しました。
そうした状況を見て、ソフトバンクは広範囲をカバーできる立地(ビルの屋上などの高い場所)に基地局を建て、地下などの電波が届きにくい場所には屋内型のものを設置することで、電波の改善を図りました。
さらに、後述するプラチナバンドという周波数帯域によって、基地局それぞれが対応できる範囲が2GHz帯と比較してなんと約3倍にまで広がり、この基地局1つあたりの有効範囲の拡大もまた電波改善に貢献しています。
2.基地局の臨時設置
多くの人が集まる催しが行われるとその周辺での通信量が増え、通信環境が悪くなります。そうしたケースへの対策として、ソフトバンクはイベント会場に移動基地車などを送り、臨時にソフトバンクwi-fiスポットを設置しています。
その他にも、「wi-fi忍者」「気球wi-fi」といったユニークな発想の対策も存在します。
wi-fi忍者は、wi-fiルーターを持った人がまるで忍者のように会場をくまなく歩き、電波改善を行うという方法です。対策としては簡単なものに見えますがそこに忍者という名称をつけるあたりが日本らしくて面白いですね。
気球wi-fiは、文字通り気球にwi-fi基地局を乗せて空から電波改善を図るというダイナミックな方法です。Softbankと書かれた気球が空に浮かんでいるところを見たことがある人もいるかもしれませんね。
3.小セル化による電波改善
基地局が混雑することで通信環境が悪化することを俗にパケ詰まりといいます。混雑というくらいですから、スマホ利用者が増えれば増えるほどその発生率も高くなります。このパケ詰まりを解決するため、ソフトバンクは「小セル化」という対策を取り入れています。
セル、とは基地局から発信される電波がカバーできる範囲のことを指します。ですから、スマホでネットを見ているとき、私たちはある一つの基地局のセルの中にいるということになります。このセルの中に人が集中しすぎて通信量が膨大になるとパケ詰まりが起こってしまうのです。
そこで、ソフトバンクは基地局を小分けに設置して基地局1つあたりのセルを小さくしました。これが小セル化です。
小セル化によってある地域に人が集中してもそれぞれの通信を複数の基地局で請け負うことで混雑を避けることができるのです。これも、そもそもの基地局の数が充分に増えてきたからこそなせる業ですね。
4.プラチナバンドで離れた地域に電波を届ける
プラチナバンドとは700~900MHzの周波数帯域のことを指し、この周波数帯域だとより電波を遠くに届けることができます。さらに高層ビルなどの障害物が密集したオフィス街でも、障害物を回り込んで電波を届けることができるというすぐれものです。
以前からソフトバンクが使用していた1.5GHz帯や2.1Ghz帯は真っ直ぐに電波を飛ばす性質が強く、オフィス街や山が多い地域での通信環境はあまり良くありませんでした。
他のキャリアでは以前からこのプラチナバンドを利用していましたが、ソフトバンクにはその割当がなく対応することができなかったのです。ですが、2012年よりソフトバンクもプラチナバンドを利用できるようになり、こうした電波改善がなされるようになりました。
現在もプラチナバンドに対応した地域がLTEや3G含めて順調に広がっています。対応したエリアについては公式ホームページで確認できますので、気になる方はチェックしてみてください。
最後に
今回ご紹介したソフトバンクの電波が良くなった4つの理由、みなさんご存知でしたか?
利用者の方の中には気にしていなかった方も多いのではないかと思います。
知っていても知らなくてもサービスを受けることはできますが、こうした取り組みをしていると知っておくと自分が普段使っているスマホについてちょっぴり詳しくなれたような気分が味わえますよね。
今後もソフトバンクは様々な取り組みをおこなっていきますので、興味がある方はこまめに情報を取り入れるようにしてください。