【もくじ】
- WiMAXを使う時、「契約」の次に大切なモノ
- ルーターが違うと何か違うの?
- au 4G LTEハイスピードエリアプラスモードって何?
- 注目すべき3種類の通信方式
- オススメできる各ルーターの比較
- オススメWiMAXルーターの決定版はこれ!
- まとめ
WiMAXを使う時、「契約」の次に大切なモノ
WiMAX、使ってますか?または、WiMAXの契約を検討していますか?
手軽に持ち運べて更に高速、と利便性が高いことでここ数年で評価がどんどんと上がっているWiMAX。ネット広告を始めとして、都心部では駅などの主要ターミナルでのPOP広告展開も盛んなので、目にする機会も増えてきましたね。
ネット接続サービスの場合、どうしても「月額料金」と「通信速度」、「キャンペーン」や「契約内容」などに話題が集中しがちですが、WiMAXの場合は意外と侮れない検討項目がもう一つあります。
それが「ルーターの機種選定」です。
ルーターが違うと何か違うの?
機種選定が重要、とは言っても、何がそんなに重要なのでしょうか?そして、ルーターが違うと何が違ってくるのでしょうか。
WiMAXはつい最近まで、下り最大通信速度が220Mbpsでしたが、現在は最大440Mbpsまで速度が大幅にアップしています。そのため、WiMAXルーターの中にも、最大速度である440Mbpsに対応している機種と、していない機種の2種類が存在するのです。
つまり、機種によってはWiMAXがアピールしている「下り最大440Mbps」の恩恵を最大限には受けられない、ということになってしまいます。
WiMAXルーターは全プロバイダーで共通となっており、現在は7種類の中から選択・購入が可能ですが、その中には通信速度が220Mbpsまでしか対応しておらず、最新規格である「WiMAX2+」の440Mbpsには対応していない所謂「旧機種」も含まれます。
当記事では、最新規格であるWiMAX2+に対応している機種に絞って紹介していきたいと思います。
下記の表がWiMAX2+に対応しているWiMAXルーターの機種一覧ですが、440Mbpsまで対応している機種であっても、各機種によって多少の違いが存在します。
W04 | WX03 | W03 | W02 | WX02 | |
発売日 | 2017年2月17日 | 2016年12月2日 | 2016年7月1日 | 2016年2月19日 | 2015年11月20日 |
下り最大通信速度 | 440Mbps | 440Mbps | 370Mbps | 220Mbps | 220Mbps |
重さ | 140g | 110g | 127g | 119g | 95g |
バッテリー持ち時間 | 6時間30分 | 7時間20分 | 9時間30分 | 6時間30分 | 7時間20分 |
WiMAX2+ ハイスピードモード対応 |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
au 4G LTE ハイスピードエリアプラスモード対応 |
◯ | × | ◯ | ◯ | × |
ご覧の通り、例えばバッテリーの持ち時間は機種ごとに差があり、最も長いバッテリー時間を誇るのはW03ですが、最大通信速度は370Mbpsとなっています。
2016年の前半に発売された2機種、W02とWX02は軽量且つバッテリー持ち時間もそこそこ長いものの、両機種とも最大通信速度は220Mbps。また、WX02はau 4G LTEのハイスピードエリアプラスモードに非対応です。
少なくとも、通信速度を最重要視するのであれば、選択肢とすべき機種はW04、WX03、W03の3機種、ということになるでしょう。しかし、これら3機種の間でもWX03に関して言うと、バッテリー持ち時間は最新機種のW04より1時間近く長いものの、au 4G LTEハイスピードエリアプラスモードに非対応となっています。
このように、ルーター本体が発売された時期によって、技術的な仕様が異なっているために、現在のWiMAXの特徴を最大限には活かせない可能性もあるなど、ルーター選びも各機種の特徴を掴んでから行うことが重要だと言えるでしょう。
au 4G LTEハイスピードエリアプラスモードって何?
WiMAXは高速移動中の通信にも強く、例えば新幹線などでの移動中車内で使用している時でも通信が安定しているというのが特徴の1つです。しかし、例えば山間部など、一部の地域ではWiMAXの電波そのものが届いていない場所も存在します。
そういった場合に対応するため、WiMAXルーター本体がauの4G LTEの電波を拾い、そのLTE回線を使って通信できるモード。それが「au 4G lTEハイスピードエリアプラスモード」です。前の項目でご紹介したWiMAXルーター各機種の「au 4G lTEハイスピードエリアプラスモード対応」の欄が、このハイスピードエリアプラスモードにルーター本体が対応しているかどうかを表しています。
本来、WiMAX単体であれば電波が届かず通信ができない場所でも、ハイスピードエリアプラスモードに対応したルーターを使っていれば、auのLTEの電波が届いている場所であれば変わらずに通信が可能になる、というメリットがあります(通信速度はau 4G LTEの速度)。
ハイスピードエリアプラスモードに対応していることは大きなメリットであることは間違いありませんが、同時に無視できない注意点が存在します。
ハイスピードエリアプラスモードに対応しているWiMAXルーターであれば、ルーター本体の操作をすることで通常のWiMAXハイスピードモードからハイスピードエリアプラスモードへ切り替えることができます。ルーターの画面上に確認ボタンが出くるので間違えて、モードをうっかり切り替えてしまうことはあまり無いと考えられますが、一度でもハイスピードエリアプラスモードを使用してしまうと、オプション料金としてその月の利用料金に1,005円が加算されます。
さらに、ハイスピードエリアプラスモードはau 4G LTE回線を使用するため、通信量の制限がWiMAXの契約プランとは異なるという点に注意しなければなりません。
WiMAXのギガ放題プランを契約している場合、1ヶ月の間に使用できる通信量には制限が設けられていませんが、LTE回線を使用するハイスピードエリアプラスモードを使っている間は、月間通信量が「7GB」までに制限されてしまいます。
しかも、ハイスピードエリアプラスモードの「月間7GB」という制限をオーバーしてしまうと、この通信制限が優先されてしまうため、お使いのWiMAXルーターの通信速度が128Kbpsまで制限されてしまいます。契約しているWiMAXプランが「ギガ放題」だったとしても、ハイスピードエリアプラスモードの制限が適用されてしまうので、ハイスピードエリアプラスモードを使う時には十分気を付けましょう。
WiMAXの電波が届かない。けれど、どうしても通信が必要。という場合の緊急避難、最後の手段として考えておき、普段は通常モードのみにし、ハイスピードエリアプラスモードを切って使用することが望ましいでしょう。「ハイスピードエリアプラスモードで1ヶ月間に7GBを使う」という条件にさえ引っ掛からなければ、説明したような通信制限には該当せず、ギガ放題プランの「月間通信使用量無制限」のまま使うことができます。
必要のない時にはハイスピードエリアプラスモードを切っておく、という癖を付けておくといいでしょう。
注目すべき3種類の通信方式
WiMAXは様々な種類の通信方式を組み合わせることによって、大容量で高速なインターネット通信を可能にしていますが、通信方式の点でも対応しているルーターとそうでないルーターがあります。
- 4x4 MIMO(フォー・バイ・フォー・マイモ)
イメージとしては、これまで端末−通信基地局の間で行われていた通信で使われるアンテナの数を倍にし、単純計算で通信量を倍増させた通信技術です。
大容量の通信データを滞りなく通すために、道を広くした、という例えだと分かりやすいかもしれません。対応機種:W04、WX03、WX02 - CA(キャリアアグリゲーション)
通信に使われる複数の電波を合成し、まとめることで大容量且つ安定した高速通信を実現させるための技術です。2015年頃から各通信会社大手が開発と導入を競っており、スマホの新機種発表の際などに「CA対応」を謳っていることもあるので、耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
通信を最大化し、且つ安定させることができるため非常に魅力的な技術ではありますが、技術そのものに対応するために各通信設備に工事が必要であるため、これまで実現までに時間がかかっていました。しかし、現在では工事もかなり進み、多くのエリアでCAに対応した通信が可能になっています。
WiMAXが通信可能なエリアでCAに対応しているエリアはこちらから確認することができます。対応機種:W04、WX03、W03、W02 - WiMAX2+ &4G LTE
WiMAXの通信回線と4G LTE回線を同時に使用することで一気に大容量且つ高速な通信を実現させるための技術です。
両方の最大速度を掛け合わせることで、最大370Mbps〜440Mbpsを実現することができます。対応機種:W04、W03
今更説明の必要はないものの、確認の意味でご説明すると、WiMAXはご存知の通り「無線」のインターネット通信です。LANケーブルなどで、固定された通信設備と接続して使用する回線と異なり、外出先や自宅も含め、様々な環境で無線での通信を行うことになります。
そのため、外的な環境要因で通信が阻害、または速度の低下などを起こす可能性はどうしても完全に排除することはできません。したがって、使用中のあらゆるトラブルを回避するために、こういった各種最先端の通信技術に対応したルーターを選ぶことは、WiMAXを使用する上でとても重要です。
完全にトラブル無し、というのは難しいと言わざるを得ませんが、多くの通信技術に対応しているルーターを選択することで、通信トラブルの可能性を極限まで減らすことは可能になるでしょう。
オススメできる各ルーターの比較
ここまで、各ルーターの基本性能比較、モードの説明と注意点、そして通信技術についてのご紹介をしてきました。
ここからは現在オススメできるルーターを機種ごとに簡単に紹介していきたいと思います。
まず、「オススメできる」ルーターは何か、となると、先にも述べた通り、現在の最新通信規格に対応し、且つ高速な通信を実現できるルーターが最適です。
この観点から、W04、WX03、W03の3機種が上記の条件を満たしていることになります。
- W04
2017年2月に発売された、WiMAXルーターの最新機種です。上記の比較表でも御覧いただける通り、WiMAX2+とau 4G LTEのハイスピードエリアプラスモード、両方に対応しており、尚且つ最新の通信技術3種(4x4 MIMO、CA、WiMAX2+ &4G LTE)全てに対応しており、対応通信規格の多さを最大限に活かし、下り最大速度440Mbpsを実現することも可能です。
auの4G LTEは全国99%の人口エリアをカバーしており、尚且つ郊外や山間部など、WiMAXが苦手としているエリアでも通信が可能です。デザイン面でも非常にコンパクトにまとめられており、丸みを帯びた外観や、グリーン、ホワイトといったカラーリングなど、カバンやポケットにも収まりやすく、且つ女性が持っていてもオシャレの邪魔をしない適度な存在感が魅力だと言えるでしょう。 - WX03
2016年12月発売。ファーウェイなどの海外メーカー製ルーターが目立つ中、WX03は国産のNEC製端末です。NECの同シリーズでは初めてタッチパネルを採用し、本体のサイズもほぼ名刺サイズにまとめられており非常にコンパクトな外観です。
以前のNEC製端末では、対応する通信規格が4x4 MIMO、もしくはCAのどちらかに限定されていたため下りの通信速度も220Mbpsが最大でしたが、WX03からは4x4 MIMOとCA、両方の通信規格に対応することになり、最大下り通信速度も一気に440Mbpsまで倍増しました。
本体の重量も110gととても軽量にできているため、カバンやポケット、ジャケットなどに入れていてもさほど重さを感じずに持ち歩ける気軽さが魅力だと言えます。 - W03
2016年7月発売。前機種であるW02から4ヶ月後の発売ということでマイナーアップデート程度では、と噂されていたものの、機能面では大幅にアップしています。
本体の大きさとしては、iPhoneSEとほぼ同等のサイズ。また、最大の特徴として、9時間30分という長時間のバッテリー駆動時間です。最もバッテリーを消費する、と言われているWiMAXの最速設定、ハイパフォーマンスモードでのバッテリー駆動時間ですから、快適で高速な無線通信を、長時間に渡って体験できるという点がメリットです。
本体のデザイン面でも、外観に光沢があり、非常に美しい仕上がりになっています。画面も見やすく、バッテリーの持ち時間と合わせて、安心して外出のお供にできる端末と言えるのではないでしょうか。
オススメWiMAXルーターの決定版はこれ!
ここまで、オススメ候補となるルーター3機種をご紹介・説明してきました。
では、オススメの決定版、とも言える機種はどれでしょうか?
注意しなければならないのは、「最大通信速度」に関して言うと、例えば440Mbpsは保証されているわけではない点を覚えておく必要があります。あくまで、「理論上の最大値」なので、「必ず常時この速度です」ということではないことを頭に入れておきましょう。
その上で、どの機種が現段階でオススメなのかと言えば、やはり最新機種であるW04だと言えるのではないでしょうか。
W04は現在の高速通信規格である4x4 MIMO、CA、WiMAX2+ &4G LTEの3つ全てに対応しており、最大通信可能速度も440Mbpsと3機種の中ではWX03と並んで最大です。
理論上のバッテリー駆動時間はW03、WX03よりも若干短めですが、WiMAXのハイパフォーマンスモードに加え、au 4G LTEハイスピードエリアプラスモードにも対応しているため、いざという時に通信が途切れてしまう可能性が低いと言えるでしょう。
ハイスピードエリアプラスモードにはW03も対応しているものの、通信規格としては4x4 MIMOに対応しておらず、この点で最大通信速度が370Mbpsとなっているため、総合力で判断すると、やはりW04に軍配があがる、と言っても過言ではないでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
WiMAXを契約するにあたってオススメできるWiMAXルーターに関してご紹介させて頂きました。
WiMAXは非常に高速で安定した回線ですが、回線契約の内容と同様に、接続機器であるWiMAXルーターも非常に重要です。せっかくWiMAXを契約し、ギガ放題プランにしてガンガン使おう!と思っていても、実際に接続するWiMAXルーターが最大速度に対応していなかったり、優れた通信規格に対応していない、という状況ではせっかくの回線が最大限活かせないということにもなりかねません。
当記事だけでなく、他のレビュー記事等も参考にして、ご自身にあった最適なWiMAXルーターを選択し、快適なWiMAXライフを送ってください!